> 2007年7月25日(水) ヒナがエサをとる訓練をしていました
尼崎市の公園でササゴイの巣立ちビナを見つけました。ササゴイは、サギ類の1種ですが、単独または数羽程度の小さなコロニーで繁殖します。写真のヒナが口にくわえているのは、羽毛のようです。くちばしでくわえたり、放したり。この行動は、巣立ちを迎えたサギ類のヒナによくみられます。おそらくエサを捕まえる練習なのでしょう。水の中にあるものは、空中から見ると本当の位置から少しずれて見えます。これは、光の屈折率(くっせつりつ)というものが空気と水とで異なることからおこる現象です。サギ類の仲間は、水の中を歩きながら、もしくは水ぎわにじっと立ってエサを探します。そして、エサを見つけるとくちばしをさっと水中に突き入れて、エサを捕まえます。この時、サギたちは一瞬のうちに水中のもののずれを計算し、くちばしを入れる位置を調整しています。彼らが上手にエサをとれるようになるまでには、たくさんの訓練が必要なのでしょう。
下の写真は、巣の下で拾ったササゴイの落し物です。ヒナの羽毛、卵の殻、フン、それと食べ残しのザリガニと小魚、昆虫の羽根。このような、鳥の落し物から彼らの生活を垣間見ることができます。ですが、巣の下を長い時間うろつくのはよくありません。親鳥に攻撃されてしまいました。 |
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> 2007年7月18日(水) 最新のコロニー分布図をお届けします
鵜サギコロニー調査の中間報告です。ホームページからの情報提供は、まだ2件です。テーマが少し難しかったのかもしれません。難しく考えずに、気軽にどしどし情報を送ってください。情報提供はこちらからお願いします。
この ホームページでの情報収集のほか、日本野鳥の会兵庫県支部 調査グループの方に依頼して、兵庫県内のコロニーの分布を調べてもらっています。7月8日現在、53箇所のカワウ、サもしくは混合コロニーが確認されています。まだ、もう少し増えるかもしれません。しかし、特に県の北西部に関しては、情報が少ないので、お住まいの方はぜひよろしくお願いします。当初の予想以上に多くのコロニーが兵庫県にあることがわかりました。図は標高図にコロニーの位置を落としたものです。どのような傾向がみられるでしょうか?ぜひ、考えてみてください。
> 2007年7月10日(火) 豊岡 コロニーめぐりの旅
先週末、豊岡へコロニー調査に行ってきました。豊岡では、今、放鳥コウノトリのヒナの誕生にわいています。5月19日に孵化したとされるヒナはだいぶ大きくなっていました。しかし、まだ片親がヒナの傍から離れず子どもを守っています。コウノトリとサギは、同じ目に属している割と近い仲間です。しかし、コウノトリは単独で繁殖します。今は、高い人工鉄塔の上に巣をかけていますが(写真左)、昔は一本松などの天辺に巣をかけていたそうです。こんなに目立つところで繁殖するのならば、親鳥は始終ヒナを守っている必要があるのでしょう。それに対してサギの仲間は、ヒナが大きくなると、両親ともエサをとりに出かけるようになり、ヒナは置き去りにされます。しかし、集団で繁殖しているため、まわりにほかの多くの鳥がいることになります(写真右)。集団で繁殖するということには、保育所のように、親鳥がより自由に動けるという利点があるのかもしれません。ちなみに、ペンギンも集団繁殖をする鳥の仲間で、同じように、大きくなったヒナはヒナだけでコロニーに取り残されます。ペンギンの場合、親鳥は一斉にエサをとりに行ってしまうので、サギよりも顕著です。このヒナだけの集団を、特別にクレイシ(共同保育所)と呼びます。
> 2007年7月6日(金) 赤穂〜姫路 コロニーめぐりの旅
昨日、赤穂から姫路にかけての11箇所のコロニーを見てきました。うち4箇所は、かつてコロニーがあった場所で、現在は使われていませんでした。山から海岸近くまでの様々な環境にコロニーがあります。山あいのコロニーは高い木に巣がかけられていて主にアオサギとチュウサギが多いようでした。海岸に近い平地では、コサギとゴイサギが加わってとてもにぎやかです。コロニーでは、幸いなことにヒナが順調に育っていました。親鳥とほぼ同じ大きさになったヒナが、親からエサをもらうために親鳥のくちばしをめがけてはげしくくちばしを突き出していきます。親鳥は、ヒナにつつかれてとても大変そうです。のみこんできたエサを与え終わってもつつくこと止めないヒナに困って、親鳥はすぐに巣から離れたところに飛んで行き、そこで休息をとります。親というのは、大変なものです。
> 2007年7月3日(火) 明石市にお住まいの小学生から情報をいただきました!
博物館内においた情報提供用紙からコロニー情報をよせていただきました。どうもありがとうございます。コロニーは明石市内にあるそうです。アオサギ、コサギ、ゴイサギとチュウサギがいると報告してくれました。よく観察していますね。ぜひ、今度見に行ってみたいと思います。レポートしますので、またご覧いただけたらと思います。
朝の田んぼでシラサギの集団を見ました。サギ類、とりわけシラサギの仲間は、しばしばこのように集団でエサ場にいます。しかし、だからといって、協力し合ってエサをとっている様子はありません。では、なぜか。これは、行列を見ると並んでしまう人の心理に似ているのかもしれません。人が並んでいる先には良いものがあるはず。仲間がエサをとっている場所は、きっと良いエサ場に違いない。そうして、サギたちは集まって採食しているのだという仮説があります。シラサギの白い羽色は遠くからでも目立つので、よい目印になりそうです。集まったサギも、エサがとれないければすぐに移動すると考えられるので、サギの集団がいるところはエサがたくさんあるところなのかもしれません。
> 2007年6月28日(金) 神戸市北区山田町のコロニーはもぬけの殻でした。
ひとはくからのコロニー情報です。
神戸市北区のコロニーを見てきました。このコロニーはアオサギが15巣程度あり、一時はゴイサギ10羽程度とシラサギ数羽もいましたが、今日はアオサギが1羽しかいませんでした。アオサギのヒナは、他のコロニーでも巣立ちを迎えているので、無事に巣立ったのかもしれません。何があったのか分かりませんが、他のサギたちは幸せな結末を迎えられなかったようです。
> 2007年6月24日(日) 伊丹市昆陽池(こやいけ)公園のカワウコロニーを見てきました。
ホームページを開設してから1週間、まだほとんど情報は届いていませんのでひとはくからのコロニー情報の第2弾をお届けします。
昨日、伊丹市昆陽池公園へカワウのコロニーを見に行きました。公園の敷地内に足をふみ入れたとたん、カワウのヒナたちのエサをねだる声にでむかえられました。池の真ん中の日本地図をかたどった島に、たくさんのカワウの巣がみられます。卵を抱いている親鳥もいましたが、すでに巣立ちビナらしき姿も見られました。公園の外からも、次々とカワウが帰ってきます。カワウやサギ類は、エサ場で捕ったエサを飲み込んで巣に持ち帰ってくるのです。コロニーに戻ってきたカワウ達は、きっとたくさんのおみやげを持って帰ってきたことでしょう。子育て真っさかりの昆陽池でした。
昆陽池のコロニーでは、1996年から10年以上にわたって繁殖が続いているそうです。カワウやサギ類のコロニーは、条件がよければ何十年も続くことがあります。かつては、埼玉県の野田の鷺山、青森県の猿賀のウおよびサギ繁殖地など天然記念物に指定されるような大きなコロニーがいくつもありました。しかし、近年では、土地開発や住宅地の拡大などによって、サギ類やカワウがずっと住み続けることができる場所が少なくなってしまいました。
> 2007年6月14日(木) 鵜サギコロニー調査が始まりました!
サギ類とカワウのコロニー調査がひとはくリサーチプロジェクトのひとつとして始まりました。この調査は、兵庫県内のサギ類やカワウのコロニーの分布を調べるものです。サギ類やカワウは比較的大きな鳥なので、集まっていたら一目でわかります。それでも、コロニーの情報はこれまできちんと収集されてきませんでした。このサイトにお寄せいただいた情報などまとめて分布図を作りたいと考えています。みなさんのご参加をお待ちしています。また、サギ類の識別方法やコロニーに関する解説などもこれからどんどん追加していくつもりです。ぜひ、ご覧ください。
ひとはくからのコロニー情報です。ひとはく近くのサギコロニーでは、巣立ち間近のアオサギのヒナが見られます。アオサギのヒナは、胸の黒い線と目の上のから伸びる黒い換羽がないことで区別できます。アオサギはコロニー性のサギの中では最も早く繁殖を始めます。このコロニーでも4月4日には抱卵を始めているのを見ました。もう少しでこのコロニーからもたくさんのアオサギが巣立っていきます。
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